サーバーへのセットアップ

　みなさんはサーバーへのセットアップと言うのを御存知でしょうか。サーバーへアプリケーションをセットアップして、複数の端末でサーバーにインストールされているアプリケーションを共有して使うことができる機能です。意外と知らない人が多いらしく、特に私のような「にわかシステム管理者」には知らない人も多いみたいですね。私もこれを知るまでは、同じファイルなのに各端末ごとにインストールし、ハードディスクの容量を大きく占有し、とても不経済でした。

　さて、サーバーへのセットアップによるメリットですが、前述の通り、それまで個々にインストールしていたアプリケーションソフトの一連のファイルをサーバーのみへのセットアップだけですませられますので、ディスク領域が格段に節約できます。また、アプリケーションのバージョン管理をサーバー側で行えることもメリットになりますね。逆にデメリットですが、サーバーになった端末はむやみにシャットダウンできないなどの制約が出来、常時稼動も必須条件になろうかと思います。さらに、むやみに新規アプリケーションのセットアップを行ったり、トラブルを起こせなくなるのがちょっとつらいです。また、ネットワークにもそれなりの負荷がかかります。

　これらを踏まえて私のところではいくつかの条件のあるクライアント端末でのみサーバーからのセットアップを実施しています。

• ディスク容量が極端に不足している
• 搭載メモリが32Mバイト以下

　また、サーバーセットアップを行うには、各クライアント数分のライセンスが必要です。(重要)

　では、実際に手順を追ってみて行きましょう

• LANが設置され、NetBEUI(TCP/IPでも可)でのネットワークが確立していること。
• Microsoft ネットワーク共有サービスがインストールされていて、サーバー側ではファイルの共有が可能になっていること。
• Windows95/98のLANを前提としているため、アクセス制御は共有レベルのアクセス制御で説明してあります。
• ここで説明するオフィスは、Microsoft Office97 Standard Editionです。
• サーバーには、エンドユーザーが使う端末は好ましくないので、サーバー専用として１台確保したい。（他のサーバーアプリケーションとの同居は可能と思われます）
• 最後に、上記条件説明が大まかにわかる人向けの解説です。

1. サーバーへのセットアップ（１回だけ）
2. サーバーから各クライアント端末へのセットアップ（端末数分）

　各クライアント端末へサーバーからのセットアップを実施するため、一番最初にサーバーへオフィスアプリケーションのファイルをインストールします。

●事前準備●

　サーバーへのインストールに先立って、まず最初にサーバーにする端末を選択し、オフィスをインストールする共有フォルダをフルアクセスで作ってください（ここでは¥¥Server¥LanApps$としておきます）。そのとき、他の端末の不正インストールを避けるため、ブラインドフォルダ（共有名の末尾に $ ）にしておくのが無難かと思われます。また、サーバーへのセットアップ中には、ユーザーがサーバーへアクセスしないように前もって連絡しておいてください。

●サーバーへのインストール●

1. インストールに使うクライアント端末で、エクスプローラを起動し、事前準備で用意した共有フォルダをネットワークドライブとして設定する。
   • メニューから[ツール]-[ネットワークドライブの割り当て]を選択
   • ドライブは適宜（ここでは Z ）、パスには共有フォルダを作ったサーバー名とフォルダ名をフルパスで入力し、【ＯＫ】ボタンを押す。
     
2. オフィスのCD-ROMをクライアントの端末のCD-ROMドライブに挿入
   このとき、セットアップ用のメニュー画面が自動起動で表示された場合、使わないので閉じる。
3. スタートボタンから「ファイル名を指定して実行」を起動
4. 「D:¥setup.exe /a」と入力して【OK】ボタンを押す
   ※CD-ROMのドライブ名（ここではD:）は、各環境に合わせて変更して下さい。
5. あとは、ウイザードに沿ってインストールしてください。
   • インストール先には、最初に設定したネットワークドライブを指定します。
   • 共有ファイルのインストール場所の選択を聞いてきます。特に問題なければサーバーへ保存するように選択してください。

●セットアップ後の処理●

　セットアップが終わったら、ネットワークドライブは必要無いので、切断してしまいましょう。また、インストールの終了した共有フォルダは読取専用の属性に変更しましょう。

●前提条件●

• インストールしたフォルダ名をMsOfficeと仮定して説明します。つまり、フルパスでは¥¥Server¥LanApps$¥MsOffice¥となります。
• クライアント端末のインストールには、各クライアント数分のライセンスが必要です。無い場合は別途製品を購入するか、ライセンスパックを購入しましょう。

●各クライアント端末へのインストール●

1. スタートメニューから、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
2. インストールしたフォルダをフルパスで入力し、その後にSetup.exeと入力（¥¥Server¥LanApps$¥MsOffice¥Setup.exe）し、【OK】ボタンを押す。
3. あとはセットアップウイザードに沿ってインストールしてください。
   • インストール方法にワークステーションセットアップを選択すると、サーバーからオフィスアプリケーションを起動するようになります。

●セットアップ後の処理●

　セットアップが終わったら、ネットワークアプリケーションの所在の漏洩を防ぐため、TweakUIなどのツールを使って「ファイル名を指定して実行」に残っている共有フィルダの情報を削除しておきましょう。（一般の方にはこれで十分だと思いますが、ちょっと知っている人だと隠し通せません。十分に注意してください。）

以上です。