■インストール

ここでは、とりあえずPCIバスタイプのLANアダプタの取り付けをみてみましょう。
まず作業に入る前に、パソコンデスクのふちや窓枠など、手で金属のものに触って体内の静電気を取り除いてから作業を始めます。パソコンに使われている部品や増設する機器など、静電気にとても弱い部品がありますので注意が必要です。
作業にあたって必要な工具は、一般的にプラスのドライバー1本です。あとは、パソコンに使われている金具などで怪我をする可能性もありますので、手袋(作業用の薄手の綿手袋)などを用意すると良いでしょう。

  1. パソコンの電源を落とし、本体のカバーをあけます。できれば、電源のケーブルも外したほうが良いでしょう。本体カバーのあけ方は、それぞれパソコンのマニュアルに書いてありますので参考にしてください。パソコンのカバーをあけますと、背面パネルに近い位置に写真の様な薄いクリーム色のPCIコネクタが見えるはずです。まず、取りつけたいPCIコネクタの背面パネル側に取り付けてある保護用のカバーを取り外しましょう。保護用のカバーを取りつけていたネジは、なくさないように注意しましょう。
  2. 準備ができましたら、PCIバス用のコネクタに、LANアダプタをゆっくり差し込みます。若干力を入れる必要がありますが、傾かないように慎重に差し込んでください。取り付けが終わったら、先ほど外したネジを使って、LANアダプタをパソコンの背面パネルにしっかり固定します。
  3. 再び本体カバーを取りつけ、ケーブルをLANアダプタとハブにそれぞれしっかり差し込み、パソコンの電源をいれます。
  4. Windows98起動時に、LANアダプタが認識されて、ドライバーのインストールが促されます。Windowsに標準搭載されているドライバの場合は、自動的にインストールされ再起動が促されます。詳細はLANアダプタに付属するマニュアルをよく読んで作業して下さい。ドライバのインストールが終了すると、再起動を確認してきますので、それに従ってください。
  5. 再起動すると、LANアダプタのインストールが終了し、ネットワークで通信をする準備が完了しています。この際、マイクロソフトネットワーククライアントのパスワードを求められますので、適宜パスワードを設定してログオンしましょう。

●おまけ
Windows98やWindows98 SEなどを使っている場合、LAN アダプタをインストール後、再起動するときにとても遅く感じられることがあります。これは、LANアダプタにIPアドレス(後述)が設定されていないため、Windows98がネットワーク内で使われていないIPアドレスを探しているために起こる現象です。適宜IPアドレスを設定すれば、それほど遅くはなりませんので、IPアドレスをきちんと設定しましょう。

■ネットワークの設定

ネットワークに関する設定は、全てネットワークのプロパティから行います。ここでは、Microsoft ネットワークに関する設定をしてみましょう。

●ネットワークプロパティの起動
デスクトップ上に表示されているネットワークコンピュータのアイコンを右クリックして表示されるショートカットメニューから「プロパティ」を選択するか、コントロールパネルのネットワークを開くとネットワークのプロパティを表示できます。

●ネットワークの設定タブ
ここでは、現在インストールされているネットワークコンポーネントの表示と設定、追加/削除ができます。 通常、LANで必要なコンポーネントは以下の通り。

※TCP/IPにおいて、ネットワークアダプタがLANアダプタしか無い場合は、単純にTCP/IPとしか表示されません。

●識別情報タブ
Microsoft ネットワークで使われるコンピュータ名(NetBIOS名とも呼ばれます)とワークグループ名を設定します。どちらも原則的に、半角英数字で15文字以内でつけましょう。また、大文字小文字の区別はありません。


●アクセス制御
通常Windows9X等のワークステーション版OSだけのネットワークでは、「共有レベルでアクセスを制御する」を選択しておいてください。内部にWindowsNT Server等のサーバーOSがある場合は、各々管理者さんへ問いあわせて設定してください。


■ネットワーク資源の共有

●共有資源の公開方法

ネットワークに資源を共有するには、ファイルとプリンタの共有を設定します。ネットワークのプロパティのネットワークの設定タブから、ファイルとプリンタの共有ボタンを押し、図のように共有できるようにしたい資源のチェックをオンします。図では、ファイルを共有できるようになっています。ちなみに、この設定をすると、ネットワークコンピュータアイコンを開いたときに表示されるネットワークコンピュータの一覧の中に表示されるようになります。なお、あらかじめMicrosoft 共有サービスがインストールされていない環境では、この設定後、【OK】ボタンを押したとき、自動的にインストールされ再起動が促されます。

共有するための準備が整いましたら、共有したいフォルダをエクスプローラなどで表示させ、目的のフォルダを右クリックして共有を選択します。

次に、表示されたフォルダのプロパティで「共有する」を選択します。共有名に漢字やひらがななどの2バイト文字を使うと不具合が発生する恐れがありますので、原則的に半角英数字で12文字以下で指定するように心がけましょう。また、共有名の末尾に「$」を入れると、その共有資源はネットワークコンピュータを開いても表示されなくなります。この場合は、ファイル名を指定して実行、もしくはアドレス欄に直接パス(¥¥PCSVR01¥SHARED02$など)を入力して表示させることができます。むやみにアクセスされたくない場合などに利用してください。なお、フォルダを共有すると、共有したフォルダ内にフォルダがあると、全て一様に共有されてしまいますので注意が必要です。通常共有するフォルダは、共有専用に単独で確保します。
アクセスの種類は「読み取り専用」とフルアクセス(読み出し、書きこみ、削除)があり、それぞれパスワードによって制限をかけることが可能です。また、パスワードで区別を選択すると、利用者側で入力したパスワードにより読み取り専用とフルアクセスを使い分けることが可能です。

なお、プリンタの共有も同じ手順で共有設定をすることができます。

●共有資源の利用方法

共有資源を利用するには、デスクトップ上のネットワークコンピュータのアイコンを開いて目的のパソコンのアイコンを開きます。すると、そのパソコンで公開しているフォルダやプリンタなどの共有資源が表示されます。フォルダであればそのままフォルダを開いて、共有設定時に設定したアクセス制御にしたがって、中のファイルを開いたり編集したりできます。
共有プリンタの利用方法については、プリンタの機種によって異なりますが、通常ネットワークコンピュータを開き、使いたいプリンタのアイコンを右クリックすると、「インストール」という項目がありますので選択します。すると、プリンタの追加ウィザードが開始されますのでそれに従ってインストールしてください。あらかじめ別途インストールディスクからセットアップするものなどもありますので、各プリンタに付属するマニュアルにしたがってください。インストール作業は、そのプリンタを削除しない限りは一度だけ行えば良く、次からは印刷する際のプリンタの選択から目的のネットワークプリンタを選択すれば印刷することができます。