■本書の目的

Black Jumbo Dog(以下BJD)を使ってLANとインターネット間を接続するときって、使い方にもよりますが、普通その前にネットワーク構築をしますよね。本書の目的は、そもそもそのネットワークってなんじゃ〜といった部分をほんのちょこっとだけご紹介し、できる限り簡単にBJDの導入をしていただこうという趣旨で作りました。また、本書により、多くの方がネットワークに興味をもってくれるといいなぁなんて期待をしてします。なお、本書では主にWindows98を使って、ネットワーク初心者向けに数台程度の小規模なLANの構築について解説してます。

■ネットワーク概要

ネットワークとは、例えば電話による会話のようなものです。電話では、電話線を通してお互いの電話機をつなぎ、会話をすることによりお互いの持っている情報を交換し合うことができます。それと同じように、パソコンなどのネットワークでは、電線や電波などを媒体としてパソコン同士をつなぎ、お互いのパソコンの中にある情報(ワープロの文書など)を交換し合うことができます。
コンピュータネットワークの世界では、この情報交換できる仕組の事を資源の共有と呼ぶことがあります。例えば、ファイルは一般にパソコンに備え付けられているハードディスクなどに記録されていますが、もしネットワークにつながっていなければ、そのハードディスクが直接つながっているパソコンでしか読み出せません。つまり、その他のパソコンと情報交換ができないということです。そこで、そのパソコンをネットワークにつないで、ハードディスク内のファイル(資源)を公開すると、同じネットワークでつながっているその他のパソコンから読み出したり書きこんだり、つまりみんなで共有することができるようになります。同じように、その他のパソコンからも資源を公開することができますので、お互いの情報を交換し合うことができるようになります。

Microsoft Windowsでは、標準でプリンタやファイルを共有することができるMicrosoft ネットワーク共有サービスが提供されており、ネットワークでつながった複数のパソコンから、それぞれネットワーク上に資源を公開したり、公開されている共有資源を使ったりすることが簡単にできるようになっています。
例えば、パソコンを使う上でプリンタは必要不可欠の周辺機器ですが、パソコンと同じ台数のプリンタを設置しようとすると、設置するための面積はかなりのものとなりますし、プリンタの台数分の高額なコストもかかります。また、同じパソコンを使っていても、大量のモノクロ印刷を必要とするビジネス文書は電子写真系プリンタで高速に印刷したい、写真の印刷ならカラープリンタできれいに印刷したいなど、使いたいプリンタの種類もさまざまです。さりとて、パソコンに使いたいプリンタがつながっていなければ、フロッピーディスクなどのリムーバブルメディアに保存して、印刷に使いたいプリンタのついているその他のパソコンまで持ち運ぶなどの余計な手間がかかってしまいます。また、そのパソコンが使用中であった場合、作業者の手を止めてまで印刷することはできません。
そこで登場するのがプリンタの共有機能です。プリンタの接続されたパソコンをネットワークに接続し、ネットワークの共有資源としてプリンタを公開します。すると、同じネットワークに接続されたどのパソコンからでも共有されているプリンタへ印刷することができるようになります。もちろん、電子写真系プリンタやカラープリンタなど、プリンタの種類に左右されること無くネットワーク上のプリンタを利用できます。

以上のことから、プリンタの共有ひとつ取ってもこれだけ便利なものなのですから、そのほかのサービスと組み合わせることにより、ネットワークの持つ潜在能力は、計り知れないほど高いことがわかりますね。

■ネットワークの種類

ネットワークは、その接続規模から、大きく分けて次のように分類されます。

●LAN (ラン:Local Area Network)
限られた地域内に敷設するネットワークのことです。例えば、家の中や会社の事務所の中など、数メートルから数百メートル程度の範囲で扱うネットワークです。本書は、BJDを用いてLANからインターネットへの接続をサポートするための解説書ですので、主にこのLAN構築を中心に説明をいたします。

●WAN (ワン:Wide Area Network)
WANは、距離の離れた異なるLAN間を電話線などを用いて2つ以上接続し、よりネットワークを広域に拡大したもので、例えば本社-支社間の接続などに用いられます。

●インターネット(The Internet)
インターネットは、WANをさらに拡大したような、地球規模の広域ネットワークです。元々は米国国防総省により軍事目的のために敷設されたネットワークでしたが、その管理が民間の団体に移されたことにより誰でも利用できるようになり、自然に世界規模まで広がったネットワークです。
ネットワークを世界規模に拡大したことにより、その情報量は計り知れないものがありますし、コミュニケーションの幅も格段に大きくなります。
現代LANを取り巻く環境から、インターネットへの接続は必要不可欠となっています。

■その他の予備知識

●NOS(Network Oparation System)
ネットワークOSとは、ネットワークによる通信を管理/制御するためのOSのことで、古来MS-DOSはNOSの機能を持たなかったため、別途ノベルのネットウェアなどのネットワークOSを導入する必要がありました。しかし、Windows95以降、NOSを標準搭載することにより、誰にでも簡単にネットワークを構築することが可能となりました。

●サーバーとクライアント
サーバーとは、ネットワーク内においてサービスを提供するコンピュータのことです。例えば、ホームページを配信するWWWサーバや、メールを配信するメールサーバーなどがあります。それに対し、サービスを受ける側のコンピュータをクライアント呼びます。インターネットエクスプローラやネットスケープナビゲータなどのWebブラウザは、WWWサーバーのサービスを利用しますので、クライアントアプリケーションと呼ばれます。

■LANの接続構成

パソコンに用いられるLANには、次のような接続構成があります。

●C/S方式
C/Sとは、Client(クライアント)/Server(サーバー)の略で、明示的なサーバー用NOSを搭載したコンピュータを中心に、複数のクライアントがぶら下がる接続方式です。サーバーでは、クライアントに関するさまざまな情報を一括して管理することなどができ、サーバーを集中管理することによりネットワーク全体を管理できるようになります。Windowsでは、WindowsNT ServerやWindows2000 Serverなどがサーバー用OSに該当します。

●ピアツーピア
ピアツーピア (Peer to Peer) は、ネットワークで接続されているコンピュータ同士が対等(Peer)である接続方式です。Windowsでは、コンシューマ向けのWindows 95/98/98SE や ビジネス向けの WindowsNT Workstation、Windows2000 Professional などが該当します。
特徴としては、それぞれが対等であるため、どのパソコンでもサーバーとなることができ、またクライアントとなることもできます。ただし、TCP/IPのネットワークでは、サーバー用アプリケーションを稼動しているパソコンがサーバーとなりますので、明示的なサーバーOSを搭載しなくても、一般にピアツーピアと呼ばれる接続方式のままでサーバー運用が可能です。


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